「私の個人主義」夏目漱石
講談社学術文庫
1978
夏目漱石の明治44年の関西4都市(明石、和歌山、堺、大阪)での講演会が入った一冊。
修善寺の大吐血、そして数ヶ月の療養ののちに行われた講演。
漱石の印象が大きく変わった。もっと真面目で堅苦しくて、ちょっと気難しいイメージを勝手に持っていた。
ユーモアも随所に散りばめられた演説。「暑いなか集まっているのだから~」の下りは講演全てに共通しているので、引き出しが多いとはいえないかもしれないとは思いつつ。
文明開化の定義付けについて話しているところなどはちょっと哲学的でラッセルのようでもあり、分業のところはアダム・スミスや、またマルクスの疎外論のようでもあり、自然主義文学やロマン主義文学について語るところでは物書きとしての顔もあり。
時間がある時にそれぞれの内容を要約したいなと思う。
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