2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧
ちくま文庫2022 一見外国の小説の翻訳のような、深緑野分の小説。そのあらすじは、1945年、4カ国分割統治下にあるベルリンで少女アウグステが殺人事件の捜査に挑むというものだ。 アウグステとその相棒カフカが殺人事件の捜査に巻き込まれていくという大ま…
青柳瑞穂訳新潮文庫1971 3冊刊行されている新潮社のモーパッサン短編集。フランスの作家、モーパッサンについて。1850年、ノルマンディー生まれ。普仏戦争に従軍。30歳のときに発表した「脂肪の塊」が評価され、次々と作品を発表。神経系の病気に苛まれ、42…
岩波新書1990 武満徹と大江健三郎が新作オペラの構想とそのアイデアを話し合う。その創造の過程を記録した貴重な一冊。対談は数回に及ぶ。その間も2人とも色々考えては却下して、アイデアの一部は別の場所で別の形で実現したり。結局この構想は実現しなかっ…
文藝春秋2023 鴨川ホルモー以来、16年ぶりに万城目学が京都を舞台に書いたという。収録されているのは短編2作、「十二月の都大路上下ル」と「八月の御所グラウンド」だ。 感想を一言でいえば、これを万城目学が書く必要があったのかということ。けれど、…
大友徳明訳角川文庫2022 2022年に出た新訳。当時の挿絵が良い。ユゴーがこの物語を記したのが1831年。物語の舞台は15世紀のパリ。ノートルダムやシテ島など、変わらぬ情景に導かれるように15世紀という昔に思いを馳せる。 物語自体は一言でいえば、恋で何も…
國原吉之助訳講談社学術文庫1994 カエサルが記したガリア戦記。紀元前58年~51年のガリア、ゲルマニア、ブリタニアへの遠征の記録で、ラテン語の名文とされている。カエサルは名文家なのだと実感したのは最後の章。この8年目の戦争の章だけアウルス・ヒ…