yuyuの備忘録

読書記録、ときどき海外ドラマ。

「日本人は思想したか」吉本隆明・梅原猛・中沢新一

新潮文庫
1998

対談本で面白いと思うものはほぼほぼないのに、古本屋で見つけたらついつい買ってしまって後悔する。今回も後悔する方の一冊だった。

3人はわかり合っているのかもしれないけれども、読者は置いてけぼり。もしかしたら当の3人だって相手の言っていることが分かっていないのかもしれないと思うくらい。

1998年の本。読んで感じたのは、東日本大震災で日本人の価値観や考え方が大きく変化を迫られたということ。原発や自然について話している部分があるが、分からないなりに違和感を感じた。

印象に残ったのは四季についての話。
和歌の世界において早い段階で日本に四季があると規定してしまい、それが今のいままで続いているとの指摘。
沖縄や北海道など、四季があるとは言えない地域だってあるし、紅葉といっても東北の紅葉とそれ以外の地域のとでは違う。そういう違いもっと目を向けても良いと思った。

対談本でなく、次は梅原猛の本を読もうと思う。